2008年02月10日
AP/GPのオリジナルグリップの加工-③

AP/GPのオリジナルグリップを語る上でもうひとつ問題となるのは、グリップ全体の厚みです。これまでは、正照準方向から見て垂直断面でのグリップの問題点を語りましたが、今回は水平方向の断面から見た問題点です。
実銃には無いマガジンが全体の厚みをデザイン的に厚くしたと思われます。又一体型の中空構造でグリップの下側から型を抜いたようで、途中の凹凸の表現は、樹脂の厚みの範囲でしか表現できていません。また、前述の台形構造もこの事から発生した必然のようです。
厚みそのものは、手の大きな人には、許容範囲かもしれませんが、問題は幅と厚みにメリハリがなく、握ったときの手の感覚に方向性が伝わりにくい事です。
とりわけグリップ最後部(手首側)の部分の厚みは、手の形状に沿わない事とあいまって方向性の認識の悪さに繋がっています。極端に表現するとこの部分の厚みにより、正照準の握りが6時方向とすると、5時方向からしか握れないと言えます。或いは、手首の角度調整による修正はご法度ですから、指の掛かりを薄く握ることで回避するしかありません。
そこで、修正策としては、以下図のように削り込みをしました。勿論、手首側の厚みはとりわけ削り込みが多くなります。握ったときの指の関節間のふくらみや、指の付け根のふくらみは、ホールド感や方向性の認識に少なからず影響を与えますので作りこみが必要です。
掌の真ん中辺りのグリップ断面図(多少デフォルメがありますが…)
上の図を描いていて連想したのが、“鯛の鯛”(鯛の胸びれの付け根の骨)です、地元近くの明石の天然鯛は有名です。春先が桜鯛と称し旬とされる事がありますが、実は今頃の寒い時期が身もしまり、油がのっておいしい時期です。刺身で食いたい!!~全くの余談です~
グリップに合わせてアナトミカルな話をしますと、“鯛の鯛”は殆どの魚に存在し(ふぐはよく解かりませんでした)不思議にもその魚と殆どフラクタル(相似)な優美な形をしています。魚を食べるとき探してみてください。
Posted by kan-say at 12:39│Comments(0)
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